玉田まゆ子公式サイト

2015年3月8日 | カテゴリ:ブログ , 玉田まゆ子のぷれしゃすな日々

「不変の真理はただ一つ、変化すること」

こんばんは、心理療法家の玉田まゆ子です。
今夜は岐阜県高山市のプライベートオフィスから
とりとめのないお話をします。
 
rings
 
ふと、思い出した。
記憶とはなんと気まぐれなものだろう。
(たぶん前々回の記事で3.11のことに触れたので
それでこの本のことも思い出したのだろう。)
 
高校生の時にジョナサン・ボロフスキーの「夢をみた」という本を読んで
非常に印象的だった。
 
その後、その本は阪神淡路大震災の時に失くした。
その頃のことは大して覚えていない。
ただ、たくさんの本を地震によって失くしたことは覚えている。
 
また読んでみたくなったが、
経験上、昔好きだった本とか映画とか
懐かしくなってもう一度観たり読んだりしても、
80%以上の確率でがっかりする。
 
きっと私たちは刻一刻と変化を遂げているのだ。
昔の私はもういない。
 
 
20代の時に大切なひとからもらった手紙に書いてあった。
 
「不変の真理はただ一つ。変化すること。」
 
だから君も変わるだろうし、
変わっていいんだよ。
そして
僕もそれを受け入れることもできるだろう。
 
というような意味なのかな?と私なりに解釈した。
 
この言葉は今も私をがっかりさせることはない。
愛おしい。慈愛に満ちた言葉。
 
 
若い頃は特に「変わらぬ愛みたいなもの」に憧れていたと思う。
誰かを愛したかったし、誰かに愛されようとしていた.
自分で自分のことを愛せていなかった。
 
マルグリット・デュラスの「愛人」とか
村上春樹の「国境の南、太陽の西」とか
電車で読んでいても
ラストシーンで涙が止まらなくなった。
 
でも、その時すでに切なかったということは、
深いところでは「変わらぬ愛」はないと薄々気づいていたんだと思う。
 
今はこう考えている。
「変わらぬ愛はない。愛の存在を否定しているわけではなく、変わり続けながら存在する。」
 
そう思うようになってから、なんだか楽になった。
変化に対する過分な抵抗や恐れがなくなった。
変化は「常に良くなるために起こっている」んじゃないかとさえ
思うようになった。
 
変化を受け入れると今を受け入れやすくなった。
変わっていくことを
生きていくことを
信頼できるようになった。
 
「不変の真理はただ一つ。変化すること。」
 
この言葉は今も私をがっかりさせることはない。
愛おしい。慈愛に満ちた言葉。