2015年2月14日 | カテゴリ:ブログ , 玉田まゆ子のぷれしゃすな日々
電話
心理療法家の玉田まゆ子です。
扉の向こうのさらさらのパウダースノーが美しい朝、
岐阜県高山市の自宅でこのブログを書いています。
『ねえ先生、私誰だかわかる?』
数年振りの電話。
私にとってはとても印象的なクライアント。
もちろん覚えている。
声が潤んでいたので、
『久しぶりだね、どうしたの?風邪ひいてるの?それとも泣いているの?』と聞くと
彼女はここ数ヶ月もの間
体調不良で何度も何度も風邪をひいて
治りきらないという。
時々、咳き込んだりする。
無理をしないで、病院に来るように言うと
彼女は今、高山を離れ都会に住んでいると言う。
『都会はどう?』って聞くと
『こっちはね、なんでもあるんだよね。車無しでも生活できるし、時給もいいしね。』
と、しばらく間をおいて
『でも、やっぱり高山の方がいい…』
この言葉を聞いて何となく彼女がいとおしくなった。
彼女がどうして電話してきたのかわかったような気がした。
『高山は今日もいっぱい雪が降って真っ白だよ』と私は伝えた。
彼女はいつ帰省するかわからないけど
調子も悪いし、帰省の時にカウンセリングの予約をしたいと言った。
私は
『身体に気をつけて。毎日を楽しんで。自分のこと大切にしてね。
(予約の)電話待ってるから。』と伝えると
『声が聞けてよかった』と言って彼女は電話を切った。
ほんの数分のやり取り…
この電話で私は彼女から何かをもらったように感じた。
上手く言えないけど
こころの奥にある
雪に凍える小窓に小さな灯がともるような
色んなことがもっと頑張れる気がした。
そして、あれから3年が経ったが、
今のところ彼女からの電話はまだない。
街で彼女のお母さんに偶然会った時に
彼女はなんとか都会で頑張っていると聞いた。